堕落繊細大学院生のつぶやき

日々感じるあれこれを思うがままに書くブログです。

ゴールデンカムイにハマった話(ネタバレ含みます)(あとで修正しよ)

最近ゴールデンカムイにハマりました.

 

就活中に何しているんだ,という気持ちには私自身もなっていますが.

 

別に何がきっかけだったわけではなく,研究室の同期から聞いたラッコ鍋の話や,私が好きなアーティストである「さユり」さんがMY FIRST STORYさんとコラボして歌っていた曲が主題歌だった,というところからなんとなく気になっていて,LINE漫画で一気読みキャンペーンが行われていたのでとりあえず読んでみよ~と思って見始めました.

 

いやぁもっと前からハマりたかった~~~~

 

ヤングジャンプで最新話まで無料で読める機会があったときいてすごくすごく悔しい気持ちなう.

 

私は小学生時代銀魂が好きだったのですが(意図せずどちらの作品も「日本史をモチーフにしたフィクション」「下ネタ多い」という共通点を持っていますね),どこが好きだったのかって泥水すすって生きているような人物が繰り広げる熱い物語が好きでした.

 

登場人物ひとりひとりが脛に傷を持っており,まっとうには生きていない.それを自覚したうえで高い理想を掲げ自らの意思で人生を選択する姿に胸が熱くなります.

 

中でも私は鯉登少尉がとてもいとおしいなと思います.

 

ボンボンで戦争経験もない.盲目的信者で純粋無垢でアホの子.

 

最初の印象はまた変なキャラ出てきたな,しかも強いのか,面倒くさいな,でした.

でも今は,光を背負った未来の象徴にみえます.

 

鯉登少尉のいいな,と思うのは,おかれている状況を客観的に見れるところと物事に白黒つけるのではなく,グレーゾーンの存在と認められるところです.

 

 

 

尾形が鯉登少尉に少しの違和感を残して去ったとき,鯉登少尉は月島軍曹が言うように尾形の言うことなんか信じられない,と切り捨てることもできたはず.

尾形は自分の大好きな鶴見中尉を裏切った存在であるので,鶴見中尉の盲目的信者である鯉登少尉からみたら「言動を信じたくない」存在であるはず.

でも鯉登少尉は尾形の発言から,自身の誘拐未遂事件について仮説を立てます.

この仮説は鯉登少尉が鶴見中尉を疑わなければ導けない仮説であることから,鯉登少尉は自分が大好きな人間のことであっても客観的事実から仮説を立てることのできる冷静な人間であることがわかりました.

あんだけ大好きだったのに「そんなはずはない」と打ち消すことなく,自分の力で真相に近づいちゃうのすごいな.

尾形は鯉登少尉が気づくこと気づいていたのかな???

たぶん読者を含め,鯉登少尉がここまで冷静で頭の回る人間だとはわかっていなかったのでは…?と個人的には思っています.

 

鯉登少尉は樺太で成長した,という風に見ていますが,鯉登少尉の過去の話でも,自分の主観に流されることないで物事を考えられる描写はあるので(日本の防衛のために自分は切り捨てられるであろうということに気づいていたり,実際父に告げられてもそれを恨んでいない),もともとその素質はあるのだろうと思います.

あとまあ,素直でまっすぐな性格もあるんだろうな.

 

 

グレーゾーンの存在を認められる,というのは谷垣とインカラマッの逃亡のときに思いました.

 

指示を受けていても命を守る判断を下す,騙されていたけど,騙されていたことを理由に鶴見中尉を悪と決めつけない.

 

さっきの「客観的に」ということにつながりますが,鯉登少尉はすごくバランス感覚のいい(物理的にも心理的にも)人間なんだな,と思いました.

容易に善悪をつけず,自分が納得できるまで判断を棚上げし,今できるベストを考える.

これは指導者として大事な姿勢だと思います.

 

鶴見中尉の部下だから鶴見中尉の味方,でも,谷垣を見逃すから杉元の味方,でもない,自分が正しいと思うことをするだけ.

自分の行動の責任を自分でとるたくましさも見えます.

 

 

 

やば.盲目鯉登少尉信者を醸してしまった.

 

もちろん,鯉登少尉は100%正しいわけでなく,初期には詐欺師を問答無用で殺していますし,キロちゃんも本当に殺すまでする必要があったのか(シーン自体はかっこよかったとはいえ)疑問に思うので,人命に対する倫理観に疑いの余地はあると考えています.鯉登少尉かっこいいいいいいというのはこの漫画の世界観を考えたときあまりよくないな,と思うので,そこは読者としてバランス感覚を大切にしたいと思います.

 

残り10話程度でどうなるのかわかりませんが,同期からは「鯉登少尉は最後まで光だよ」と言われたので期待してなんとかしてボーナスコイン貯めて読もう.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールデンカムイ,全巻揃えようかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<追記>

全部読みました.鯉登少尉は最後まで光だったけど,最後までずっと迷っていたのだな,という印象です.樺太編で成長した,と申し上げましたが,函館決戦も彼の成長の血肉になっている気がします.

そして,上記の文章を書いたときは鯉登少尉を「味方」としてみていましたが,鯉登少尉はあくまで第七師団の第27連隊の軍人なんですよね.

だから最後の最後まで軍として行動するし,部下を守ることを第一に行動する.

谷垣家族は危害を加えてきたわけではないので危害を加えるのは道理に合わない.

でも土方さんとかキロちゃんとかみたいに軍に危害を加えてきた人間は見逃すわけにはいかない.

 

鯉登少尉が日本の未来を背負うように思っていたけど,彼が背負うものは第七師団であり,彼の成長は軍の上官としての器の成長なんだな.

 

と考えたら,なんとなく思考が整理されました.

 

戦前日本の価値観で部下を守る思想があるだけでも十分光だよな…